新型出生前診断(NIPT)について

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出生前診断について

出生前診断とは、赤ちゃんが生まれる前に、妊婦さんに対し赤ちゃんはどのような病気を持っているかを調べる検査(出生前検査)を行い、これに基づいて行う診断のことをいいます。

出生前検査を行うことにより、赤ちゃんの先天性疾患の一部を調べることができます。

検査対象は主に染色体三カ所の異常の探知であり、それぞれが対応する疾患は下記通りです。

  • 21トリソミー:ダウン症候群
  • 18トリソミー:エドワーズ症候群
  • 13トリソミー:パトー症候群

ダウン症候群:21番染色体の異常であり,知的障害,小頭症,低身長,および特徴的顔貌を引き起こす。診断は身体奇形と発達異常から示唆され,細胞遺伝学的検査によって確定される。治療法は具体的な臨床像および奇形に応じて異なる。

エドワーズ症候群:過剰な18番染色体によって引き起こされる病態で,通常は知的障害と出生時低身長のほか,重度の小頭症,心奇形,後頭部突出,変形を伴う耳介低位,やつれたような特徴的顔貌などの様々な先天奇形で構成される。

パトウ症候群:過剰な13番染色体によって引き起こされる病態で,前脳,中顔面,および眼の発育異常,重度の知的障害,心臓の異常,ならびに出生時低身長で構成される。

MSDマニュアル:染色体異常と遺伝子異常

出生前診断には「非確定検査」と「確定検査」に分かれており、
非確定検査とは低リスクの検査で、ある程度赤ちゃんの先天性障害の可能性を示唆し、陽性になった場合は確定検査へ進むためのスクリーニング検査です。
確定検査とは、赤ちゃんの先天性障害を確定診断する検査であり、陽性になった場合は必ず障害があると示唆します。尚、検査にはリスクが高く、流産・死産するリスクがあります。

今までの出生前診断

非確定検査と確定検査を含め、5種類あります。

  • 非確定検査:超音波検査、コンバインド検査、母体血清マーカー検査
  • 確定検査:絨毛検査、羊水検査

超音波検査、コンバインド検査、母体血清マーカー検査などは非侵襲的であり、検査しても赤ちゃんにとって害はありませんが、検出率が高くなく、偽陰性や偽陽性が出る場合があります。

  • 偽陰性:赤ちゃんに障害があるのに陰性が出た。その場合、検査したのに、障害の子が生まれてしまう。
  • 偽陽性:赤ちゃんに障害がないのに陽性が出た。その場合、赤ちゃんが健康なのに、リスクのある確定検査へ持って行かれ、流産・死産するリスクを負わせる。

絨毛検査、羊水検査は確定検査として使われ、その検査結果から確実に赤ちゃんの遺伝子に異常があるかどうかが判明します。しかし侵襲的な検査である故に、流産・死産が起こるリスクがあります。

新型出生前診断(NIPT)

新型出生前診断(NIPT)は、妊婦さんの血液中に含まれる赤ちゃんのDNA断片を分析することで、赤ちゃんの特定の染色体疾患を調べることができる検査です。

非侵襲的な検査であり、赤ちゃんに対するリスクは0でありながら、99%という極めて高い感度を持っている、画期的な出生前診断です。

新型出生前診断(NIPT)の特徴

新型出生前診断(NIPT)は非確定検査(リスク0)で最も高い感度を有しており、他の非確定検査約70-85%の精度に対し、99%の感度を有している。その上非侵襲的である為、赤ちゃんに被害はありません。

ダウン症候群、エドワーズ症候群、パトー症候群の3疾患に関しては、ほぼ確定診断と同程度の精度と捉えていいでしょう。

検査名NIPT
(非確定)
超音波検査
(非確定)
コンバインド検査
(非確定)
母体血清マーカー
(非確定)
絨毛検査
(確定)
羊水検査
(確定)
実施時間10週以降11〜13週11〜13週15〜17週11〜14週15〜16週以降
検査の対象ダウン症候群
エドワーズ症候群
パトー症候群
ダウン症候群
エドワーズ症候群
パトー症候群
ダウン症候群
エドワーズ症候群
ダウン症候群
エドワーズ症候群
神経管閉鎖障害
染色体疾患全般染色体疾患全般
感度99%70-80%83%80%100%100%
リスクなし
ただし陽性の場合は確定検査へ進むことになる
なし
ただし陽性の場合は確定検査へ進むことになる
なし
ただし陽性の場合は確定検査へ進むことになる
なし
ただし陽性の場合は確定検査へ進むことになる
約1/100の確率で流産・死産のリスク約1/300の確率で流産・死産のリスク
NIPTと他の出生前診断の比較

メリット:抜群に高い感度と低リスク

まずは圧倒的な高感度と低リスクにあります。

お母さんにとって一番絶望的なのは、自分の赤ちゃんは非確定診断で陽性が出てしまい、確定診断で流産になってしまい、且つその時点で実は赤ちゃんは障害がなく、非確定診断の偽陽性でしたって分かった時だと思います。

NIPT検査を非確定診断に用いた場合は、この様な悲しい事を防ぐことが出来ます。

デメリット:あまりにも優れ過ぎた故の倫理問題

NIPT検査のあまりにも高い感度と低リスクである故に、悪い意味での優生思想を蔓延させてしまう事があります。
もっと低リスクで先天性の疾患を99%まで探知できる故に、軽い気持ちで堕胎させたりなどを考え出す人が出てきます。

尚、包丁は悪くないが、美味しい料理を作るかか人を殺害するかは使用する人次第なので、医師と十分カウンセリングした上で、正しい倫理観を元に、妊婦と赤ちゃんの健康を守る事が本来NIPT検査の主旨です。

技術:次世代シークエンシング

何故NIPT検査はこれ程優秀なのか、それはDNAシークエンシングの技術の進化にあります。

妊婦さんの血液中には、妊婦さんと赤ちゃんのDNA断片が存在します。その僅かなDNA断片を正確に捕まえた上に遺伝子解析を出来る様にしたのが、次世代シークエンシング(NGS)を行うための次世代シークエンサーの性能の進化があった故に実現しました。

次世代シーケンサー(NGS)の技術を用いたMPS(massively parallel sequencing)法では、血液中に含まれるひとつひとつのDNA断片の情報(塩基配列)を読み取り、そのDNA断片が何番の染色体由来かを決定し、分類をします。分類後に、21番、18番、13番染色体由来のDNA断片の量的な割合を標準値と比較することで、特定の染色体に変化が生じているかを判定します。

GeneTech:NIPT(新型出生前診断)の検査原理

新型出生前診断(NIPT)を受けるには

前提条件

必須条件

  • 妊娠週数9~15週間(出典:愛育クリニック(南麻布))

おすすめ条件

妊娠週数が適合の妊婦さんは誰でもNIPT検査を受けられますが、原則的過去の何れかに該当する場合はNIPT検査をお勧めしています

  • 胎児超音波検査、母体血清マーカー検査などで、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆され、いきなり確定検査へ進むのも心配で、改めて確認したい妊婦さん
  • 染色体数的異常を有する児を妊娠した既往のある妊婦さん
  • 高年齢の妊婦さん
  • 両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座を有していて、胎児が 13 トリソミーまたは21 トリソミーとなる可能性が示唆される妊婦さん(即ち障害が起きていないにも、両親に関連遺伝子の異常がある場合)

出典:NIPT指針 – 日本産科婦人科学会

おすすめ医療機関

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