遺伝子とは

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遺伝子の構造

遺伝子とは遺伝情報の保存と伝達する物質であり、人はどの様な生き物なのかはその人の遺伝子によって決められており、その特徴が子孫へ伝達するのも遺伝情報が遺伝子を通じて子孫が継承しているからである。

1869年生化学者のフリードリッヒ・ミーシェルが白血球の細胞核からリン酸塩の様な物質を発見し、「核酸」と名付けた。後に、この「核酸」が沢山連結して、二重らせん構造となっていたものが「デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid)⇒ DNA」と呼ばれることになった。

遺伝子 DNA
二重らせん構造のDNA
遺伝子 染色体
DNAが入ってある染色体

1903年生物学者ウォルター・S・サットンによって遺伝子であるDNAは細胞核の中にある構造「染色体」にあると提唱された。更に、細胞核や染色体の構造を持たない、規模的に細胞以下の生物であるウイルスの一部には、遺伝子は二重らせん構造DNAではなく、リボ核酸のみ(二重になってない、1列のみ)のRNAで構成されていることも判明した。

狭義的には、遺伝子は遺伝情報が書かれているDNAやRNAなどの核酸配列物質の事を言い、広義的にはDNAとRNAを包んでいる染色体や転写因子(後ほど説明する)なども含むことになります。

分子生物学における最狭義の遺伝子はタンパク質の一次構造に対応する転写産物 (mRNA) の情報を含む核酸分子上の特定の領域=構造遺伝子(シストロン)をさす。転写因子結合部位として、転写産物の転写時期と生産量を制御するプロモーターやエンハンサーなどの隣接した転写調節領域を遺伝子に含める場合もある(→オペロン)。ちなみに、語感が似る調節遺伝子とは上記の転写因子のタンパク質をコードしたれっきとした構造遺伝子である。 しかし、転写産物そのものが機能を持ち、タンパク質に翻訳されない、転移RNA (tRNA) やリボソームRNA (rRNA) 、機能性ノンコーディングRNAに対応する遺伝情報が、タンパク質構造遺伝子と同程度の数をもつことが報告され、狭義の遺伝子に含められるようになっている。近年、化学修飾や編集によるDNAのもつ情報の変更が発見されて、DNA上の領域という定義は、古典的な意味での遺伝子の範疇には収まらなくなりつつある。

古典的な遺伝子の定義は、ゲノムもしくは染色体の特定の位置に占める遺伝の単位(→遺伝子座)であり、構造は変化しないと考えられていた。しかし突然変異やトランスポゾン(可動性遺伝子)の発見、抗体産生細胞で多種の抗体を作り出すための遺伝子再編成の発見などから、分子生物学的実験対象としての遺伝子の概念はたびたび修正を余儀なくされた。他にも遺伝子増幅、染色体削減といったダイナミックな変化や、二つの遺伝子の転写産物がつなぎあわされるトランススプライシングのように遺伝子の概念を広げる現象もある。

また同じ生物学内でも進化論や集団遺伝学、進化ゲーム理論での議論で用いられる遺伝子という単語は、上記の構造遺伝子やDNA上の領域あるいは遺伝子座とは相当に異なる概念を内包しており、混同してはならない(例:リチャード・ドーキンスの著書表題『The Selfish Gene(利己的な遺伝子)』)。こちらは、自然選択あるいは遺伝的浮動の対象として集団中で世代をまたいで頻度を変化させうる情報単位である。メンデル遺伝的な面をもつもののほか、表現型に算術平均的影響を与える量的形質遺伝子、遺伝情報の突然変異や組み換えに対応する無限対立遺伝子モデルなど、理論的でありながら、即物的な分子生物学の側面を包含した考え方である。これを模倣し、文化進化の文脈で用いられるミームは集団遺伝学における遺伝子のアナロジーである。

遺伝子という言葉は、「遺伝する因子」としての本来の意味を超えて遺伝子産物の機能までを含んで用いられる場合があり、混乱を誘発している。後者の典型例としては、遺伝しない遺伝子を使った遺伝子治療などがあげられる。さらに遺伝子やDNAという言葉は、科学的・神秘的といったイメージが先行し、一般社会において生物学的定義から離れた用いられ方がされていることが多い。それらの大半は通俗的な遺伝観を言い換えたものに過ぎない。一般雑誌などでは疑似科学的な用法もしばしば見受けられる。

出典:遺伝子『ウィキペディア(Wikipedia)』

染色体

DNAはタンパク質に包まれながら細胞核の中に存在します。その集合体は細胞分裂期に棒状の物体として観察され、名付けられた。

更に、構造的に小さく、通常の棒状な染色体を持たない細菌や古細菌あるいはミトコンドリアなどの細胞小器官が持つゲノムを含めて染色体と呼ぶこともあり、ウイルスのゲノムも染色体と呼ぶ場合がある。

染色体はDNAとそれによって包まれているタンパク質によって構成され、そのタンパク質らはヒストンと呼ばれ、転写翻訳(遺伝子情報からタンパク質が作られる過程、後に説明する)に重要な役割を果たしています。

DNAとRNA

DNAもRNAも核酸によって構成されており、単列のリボ核酸 (RNA)と二重らせん構造のデオキシリボ核酸 (DNA)がある。

DNAもRNAも色んな化合物から組み合わさった大分子集合体だふが、それには一つ一つ小さなパーツがある。そのパーツは核酸塩基と呼ばれており、主なものにアデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシルがあり、それぞれ A, G, C, T, U と略す。構造の骨格からプリン塩基 (A, G) とピリミジン塩基 (C, T, U) とに分けられる。

核酸塩基の種類
出典:核酸『ウィキペディア(Wikipedia)』

遺伝子の役割

遺伝子は生物の設計図であり、その生物に関するすべての情報が遺伝子の中に刻まれています。

情報はつまり並びである。上記の説明の様に、遺伝子であるDNAやRNAは何種類の塩酸塩基によって構成された配列である事が分かります、それはどういうことなのか?

即ち、コンピューターやインターネットにあるすべての情報(文字・画像・動画・音声など)は全て数字「0」と「1」で構成されてると同じように、生物の全ての情報(身体構造・寿命・習性など)は全て核酸塩基「A」「T」「C」「G」「U」で構成されています。

生命の構造

では核酸塩基の配列である遺伝子はどうやって「生物の設計図」として機能して切るのか、まず生命の構造を見て見ましょう。

生物→細胞

生物は細胞によって構成されており、生物体の構造上・機能上の基本単位である。

細胞→タンパク質

タンパク質は生物すべての生命現象を担う基本的な物質です。所謂細胞の中の歯車です。

タンパク質は多くのアミノ酸によって構成された大きな分子ですが、複雑な三次元構造を持っており、即ちロボットの様に動いたりすることが出来ます。この性質によって、タンパク質は養分を運送したり、情報を伝達したり、異物を排除したり、他のたんぱく質を作ったりなど、様々な役割のタンパク質があって様々な機能があります。

細胞の中には水分、エネルギー源となる糖分や脂質、設計図となる遺伝子、と実際働く単位であるタンパク質があり、即ち細胞の活動は数多くのタンパク質による共同作業によるものです。

タンパク質の三次元構造

そのタンパク質はまた別のタンパク質によって作られているが、どのタイミングでどの様なタンパク質を創り出すのか、全部遺伝子によってコントロールされています。

即ち、遺伝子とは、極端的に言えば、タンパク質製造のアルゴリズムです。

転写翻訳

遺伝子情報を沿ってタンパク質を創り出すことを転写翻訳と言います。

転写:遺伝子情報を読み取る

転写とは、DNA配列を読み取る事です、どの様なタンパク質を作るかという指示を出す行為と考えてよいでしょう。転写にはその役割を行うタンパク質(RNAポリメラーゼ)が行います。具体的な方法としては、DNAの一部を読み取って、それと対照的な短い配列 RNAを生成します。

ほとんどの原核生物において、転写によってできたRNAはそのまま塩基配列が読み取られて翻訳され、タンパク質が出来上がります。一方で真核生物の場合、転写によってできたばかりのRNAは翻訳される前に修飾されます。これは転写後修飾と言いますが、複雑な生物の都合上の処理なので、説明はここで割愛させていただきます。

詳しく知りたい方はこちら:セントラルドグマとは|複製・転写・翻訳の概要をわかりやすく解説

翻訳:読み取った遺伝子情報からタンパク質を作る

転写によって出力されたRNAの記載情報からタンパク質を作る事を翻訳と言います。

アミノ酸は20種類あり、RNAは3つの連続する塩基で1つのアミノ酸が指定されます。
即ち、RNA配列を読み取っていく上で、アミノ酸の配列が出来上がります。

そのアミノ酸の配列が組み立てて行き、タンパク質になります。

遺伝子から生物までの道筋

前文で生物の構造で説明されたように、生物→細胞→タンパク質→遺伝子という順番でミクロ化していきます。

遺伝子は生物の設計図
遺伝子は生物の設計図

という事は、遺伝子情報が転写翻訳を通してタンパク質を作り、多くのタンパク質の働きによって細胞が作られ、細胞が臓器を構成し生物が出来上がる。遺伝子情報はこの様に生物の在り方を決めていくわけです。

遺伝子の変異

遺伝子の欠損によって、遺伝性疾患になったり、がんになったりするとよく聴きます。

上記の「遺伝子から生物までの道筋」が理解できれば、これらの疾患はどうやって遺伝子の欠損によって起きてるのかが分かるようになります。

例えば、細胞の歯車としてのとあるタンパク質のコードが記載されている遺伝子の部分が欠損になってしまった場合、そのタンパク質が作れなくなります。もしそのタンパク質は人体において凄く重要な役割を担当している歯車である場合、遺伝子の欠損によってその人は大きな障害、または死亡する恐れを負う事になります。
もしくは、異常な配列により、とあるタンパク質を必要以上に生産してしまい、逆に不具合を起こしたりする場合もあります。

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